
親から賃貸アパートを引き継いだ。けれど入居者は減っていて、修繕の見積もりを見ると金額が重い。このまま持ち続けるのか、それとも解体して別の使い方に変えるのか。世代交代で大家になった方から、こうしたご相談をいただきます。
このとき多くの方が気にされるのが、入居者がいるうちに動き始めないといけないのか、という点です。結論から言えば、その必要はありません。当社にいただくご相談は、ほとんどが退去の見通しがついてからのものです。
この記事では、解体のご相談をいただくタイミングと、アパートの解体が戸建てとどう違うのかをまとめます。
世代交代で大家になった方のご相談は、修繕費で動いています
ご相談をいただく大家さんには、だいたい同じ流れがあります。
入居者が減ってきた。空いた部屋がなかなか埋まらない。そのうえで建物が古くなり、修繕の見積もりを取ったら金額が重かった。家賃収入は減っているのに、かかるお金は増えていく。この状態で引き継いだ方が、解体を考え始められます。
そして多くの方が、解体したあとは駐車場やアパート建替えなどの土地活用に切り替えたいとおっしゃいます。手がかからない形にしたいというご希望です。
月極駐車場という選択肢については、こちらで費用や始め方を解説しています。
入居者が住んでいるうちにご相談いただく必要はありません
ここがいちばん気にされる点だと思います。
当社には、入居者がまだ住んでいるアパートの解体のご相談は来ていません。すでに退去の予定が決まった段階で、ご相談をいただいています。
つまり順番としては、先に退去の見通しをつけていただいて、そのあとに解体のご相談で間に合います。入居者の方との話が片付かないうちに解体の段取りを進める必要はありません。
退去が済んでいなくても、予定が決まっていればご相談いただけます。工事の日程は退去の時期に合わせて組みます。
アパートの解体で戸建てと変わるのは2つです
アパートの解体は特殊で手間がかかる、という話を聞いて不安に思われる方もいます。ただ、実際のところ工事そのものは長屋の解体とあまり変わりません。
戸建てや長屋と比べて変わるのは、次の2つです。
ひとつはライフラインの数です。戸建てなら電気・ガス・水道がそれぞれ1系統です。アパートは部屋ごとに契約が分かれていることがあります。そのぶん停止と撤去の連絡先が増えます。
もうひとつは各部屋の残置物です。 退去された部屋に家具や家電が残っていることがあります。部屋の数だけ可能性があるので、戸建てより量が読みにくくなります。
残置物の片付けは当社でまとめてお受けできます。解体と別の業者に頼む必要はありません。
ライフラインの手続きについては停止と撤去の連絡を誰がするかで詳しく書いています。原則として建物の所有者ご自身で各管轄へ連絡していただく形になります。
長屋の解体で起きやすいトラブルは長屋解体のトラブル完全ガイドにまとめてあります。アパートでも考え方は共通します。
大きい建物は、壊す時間ではなく運ぶ時間で工期が決まります
ここはアパートならではの話です。
八尾市山本町の文化アパートを解体したときは、延床で約130坪ありました。この規模になると、工期を決めるのは建物を壊す作業ではありません。出た廃材を分別して、運び出すところで日数が決まります。
道路の幅、隣家との距離、構造、そして残置物の有無。この4つで搬出にかかる日数が変わります。だから現地を見てから工程を組むのが確実です。
実際の現場は八尾市山本町の文化アパートの解体でご覧いただけます。整地まで対応して更地に仕上げました。
ほかにも京都市左京区の文化アパート2棟では、老朽化が激しく畳が100枚ほど出ました。堺市堺区石津町の共同住宅では、道路が狭かったため機材の選び方を工夫し、庭石の搬出にも手間をかけています。
費用はゴミの処分費で大きく変わります
解体費用の内訳は、重機や足場の費用、人件費、経費、そして廃棄物の処分費用です。このうち処分費用が全体の4割を占めます。
アパートの場合は、ここに各部屋の残置物が乗ってきます。だから「何部屋あるか」ではなく「どの部屋に何が残っているか」で金額が動きます。見積もりの前に、残っているものを見せていただくのがいちばん確実です。
見積もりは項目が分かる形でお出しします。「工事一式」としか書かれていない見積もりは、あとから追加費用が出やすいので気をつけてください。
整地の仕上げ方でも金額が変わります。仕上げ別の整地費用に単価の目安をまとめています。
解体したあとの使い方を、先に決めておきます
これはアパートに限らない話です。ただ、世代交代の場面ではとくに大事になります。
更地にしたあと何に使うかで、整地の仕上げ方が変わります。駐車場にするなら舗装を前提にした仕上げになり、売るなら境界の確認が必要になります。工事のあとに決めると、やり直しの費用がかかります。
もうひとつ、税金の話があります。建物が建っている土地には、住宅用地の特例という軽減措置があります。更地にすると、この対象から外れます。更地のまま置いておく期間が長くなるほど負担が増えていきます。
更地のうちにやっておきたいことに、固定資産税の負担を抑える考え方をまとめています。
解体が済んだら、1か月以内に滅失登記をおこないます
引き継いだ建物を解体したあと、忘れやすいのが登記です。
建物を解体したら、建物滅失登記の申請が必要になります。不動産登記法では、建物が滅失した日から1か月以内に申請するよう定められています。過ぎると過料の対象になる場合があります。
土地家屋調査士に依頼することもできます。ただ、登記手続きのなかではシンプルな部類なので、ご自身で申請することもできます。申請には解体業者が発行する建物取毀証明書などが必要になるので、工事のあとにお渡しします。
手順は滅失登記の申請についてにまとめてあります。
よくある質問
世代交代でアパートを引き継いだ大家さんからいただく質問です。
Q: 入居者がまだ住んでいますが、相談だけでもできますか?
A: できます。ただ、退去の予定が決まってからのほうが日程を組みやすくなります。実際にいただくご相談も、ほとんどが退去の見通しがついた段階のものです。
Q: 各部屋に残っている家具や家電も、まとめて頼めますか?
A: お受けできます。残置物の片付けから解体、整地までまとめて対応しますので、別の業者を探していただく必要はありません。
Q: アパートの解体は、戸建てより特別な工事になりますか?
A: 工事そのものは長屋の解体とあまり変わりません。変わるのはライフラインの数と、各部屋の残置物の量です。
Q: ライフラインの停止や撤去は、代行してもらえますか?
A: 原則として、建物の所有者ご自身で各管轄へご連絡いただく形になります。契約者本人の意思確認や、未払い料金の精算が伴うためです。行政への届出は当社で対応します。
Q: 工期はどれくらいかかりますか?
A: 現場の条件で変わります。道路の幅、隣家との距離、構造、残置物の有無の4つです。規模が大きい建物では、壊す作業よりも分別と搬出で日数が決まるため、現地を見てから工程をお出しします。
Q: 解体したあと駐車場にしたいのですが、整地はどうなりますか?
A: 舗装を前提にした仕上げになります。ご希望を先に伺っておけば、その形に整えます。あとから決めるとやり直しの費用がかかるため、見積もりの段階でお聞かせください。
Q: 相続で兄弟と話がまとまっていません。それでも相談できますか?
A: ご相談いただけます。相続で意見が分かれて話が進まないというケースは少なくありません。必要であれば、お付き合いのある税理士や司法書士をご紹介することもできます。
Q: 見積もりはどんな形で出てきますか?
A: 項目が分かる形でお出しします。追加費用が発生する場合は、その条件を事前にご説明します。
まとめ
世代交代でアパートを引き継いで、修繕費と空室で迷われている方は少なくありません。
ご相談のタイミングは、入居者の退去の見通しがついてからで間に合います。工事そのものは長屋の解体とあまり変わらず、変わるのはライフラインの数と各部屋の残置物です。
サポートプランでは、大阪泉大津を拠点に、年間100件以上の解体工事を手がけてきました。アパートや共同住宅の実績もあります。残置物の片付けから整地まで、まとめてご相談いただけます。
引き継いだアパートをどうするか迷っておられるなら、まずは現地を見せてください。無料見積もり・ご相談はお気軽にどうぞ。
