空き家を解体すべきか否か? トラブルに発展する空き家の原因と解決策を専門家が徹底紹介!

近年、社会問題化している空き家問題。当社のサイトをご覧になっているみなさんのなかには、誰も住まなくなった家や親から相続した空き家の活用方法、処分方法にお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。空き家の処分は簡単ではありませんが、人の管理が行き届いていない空き家を放置しておくことは事故や近隣トラブルにもなりかねないためとても危険です。

空き家を放置することで起こるトラブルや空き家を放置してしまう人の心理、空き家の処分を進めるにあたってのポイントをお伝えします。

■社会問題化! 日本に空き家が増えている現状

空き家とは、「住んでいた人が引っ越したり亡くなったりしたあと、売却や賃貸住宅として活用されずそのままになっている建物」です。ニュースや新聞でもたびたび取り上げられる空き家問題。なぜ日本はこんなに空き家が増え、放置され、社会問題化しているのでしょうか。

・少子高齢化で住む人がいなくなった

ご存知の通り、現在の日本は少子高齢化により人口減少が加速しています。人口の減少により、すでにある住宅の数よりも世帯の数が減少していることが、空き家が増える大きな理由といえるでしょう。高齢者介護施設が増え施設に入所する高齢者が増えたこと、高齢者世帯が亡くなり住んでいた家を引き継ぐ人がいないなども原因のひとつ。

・新築の供給過多

日本人の特徴として、中古住宅よりも新築住宅を好む傾向があります。少子高齢化によって世帯数は減っているのにどんどん新築を建ててしまうため、住む人がいなくなった中古住宅がたくさん残っているのです。

■空き家の放置は危険! 人が住んでいない家屋をそのままにしておく問題点とは?

空き家を処分するには、面倒な手続きや解体費用など手間と時間とお金がかかるものです。「今すぐどうこうというわけでもないし……」とついつい先延ばしにしてしまいますが、人の管理が行き届かない家を放置しておくと、さまざまな弊害が起きます。

・火事

空き家を放置することで最も心配なことは火事です。落雷や、ネズミなどが電源コードをかじることで起きる自然発火の場合もありますが、空き家の火事の原因の大半は放火だといわれています。
空き家でひとたび火事が起きると、発見が遅れて近隣へ燃え移り大惨事になってしまうことも。人の気配がない家屋はこうした犯罪の温床になりやすいのです。

・倒壊

誰も住んでいない家というのは、経年劣化の加齢度数が早まります。日本の住宅の90%以上は木造住宅。やはり木は湿気に弱いもので、人が住んでいれば扉や窓を開け閉めすることによって適切な湿度が保たれますが、人の住まない家は湿度がこもり徐々に建物は朽ちてきます。そこに人が管理していないという状況が加わり、やがて家は崩れてしまうのです。

・近隣への被害

空き家に関する問題のなかでも、トラブルになりやすいのが近隣住民への被害です。壁や屋根など家屋の一部が崩れ風に煽られて近隣の住宅に飛んで行ったり、外壁が崩れて通行人に当たったりすると、当然ですが賠償責任を追わなければならなくなります。ほかにも、雑草が生い茂ってツタが隣家の雨どいやクーラーの室外機に巻きついて壊してしまったというケースや、隣にボロボロの空き家があるため買い手がつかず土地の価値が下がったというケースなど、二次的、三次的な被害も。

・ゴミが捨てられる

空き家はゴミを不法投棄されやすい場所です。雨戸やカーテンが閉まったままになっている、外壁や窓ガラスが破損したまま放置されている、雑草が伸び放題になっているといった家は人が住んでいる気配がないため、「ゴミを捨ててもバレない」と思った非常識な人によってゴミが投げ込まれる事案が後を経ちません。誰かがこっそり捨てていったゴミを見て、他の人がまたゴミを捨てる……というようにどんどんエスカレートし、気づいた時にはゴミが溢れて手が付けられない状態に陥ることも。
当然ながら、大量のゴミが放置されると悪臭や虫の発生、カラスや猫にゴミを荒らされるなど、近隣に多大な迷惑をかけてしまうことになります。

・野良猫の住処になる

人の住んでいない家に野良猫が住み着くケースも少なくありません。野良猫の住処になると、糞尿や死骸などによる異臭・悪臭がひどくなるほか、隣家の花壇や菜園を荒らしたり隣家の敷地内への糞尿被害も考えられます。空き家で野良猫が繁殖したりすればさらに被害は増え、個人では手に負えない状況に陥ってしまいます。

 

<空き家に保険、かけてますか?>

こうした問題が起きても、空き家に保険をかけていたならばなんとか対応のしようもありますが、誰も住んでいない老朽化した家屋に保険をかけている人は多くありません。たとえ保険をかけていたとしても、長期間人が住んでいなかったり管理を怠っていたりしたことで保険金がスムーズに支払われないケースもあります。早い段階で空き家を処分していれば防げたような問題も、長期間放置しておくことで大きな問題に発展してしまいます。

多くの方は、空き家による二次被害、三次被害を受けてからはじめて「こんなことになるなんて思わなかった……」「こんなことがあるなんて知らなかった……」とおっしゃいます。しかし、空き家問題は被害が出てからでは遅いのです。

■なぜ処分しないの? 空き家を放置してしまう5つの理由

住む人がいないのなら早々に空き家を処分するべきではありますが、多くの人はなかなか空き家処分を進められない事情を抱えています。その事情は、心理的・物理的とさまざまです。

①空き家を手放したいけれど、何から始めればいいかわからない

空き家を処分しないといけないとは思っているけれど、何から始めていいかわからないという人は非常に多いものです。
どこに出向けば処分の手続きが進められるのかがわからないので、空き家処分を進めたくても進められない。近くに相談できる人もいないため、結果的に空き家を放置したまま何年も経過してしまうのです。

②思い出の家を手放すことへの抵抗

長年放置された家であっても、たとえ家の中にガラクタしか残されていなくても、ご家族が共に暮らした家は思い出が詰まった大切な家です。空き家を放置しておくことの危険性を十分理解していても、なかなか心の整理がつけられず処分に時間がかかってしまう人もいます。
思い出の家を処分しなければならないことが精神的ストレスとなって、心が弱ってしまっている方も少なくありません。

③相続問題で話が進まない

空き家の所有者が亡くなると、その土地は所有者の子どもなど相続権を持つ人の共有財産になります。もし相続権を持つ人が複数いる場合、全員から同意を得て印鑑を押してもらわなければ、土地を売買することはできません。
もし兄弟のうちの誰かが亡くなっていたらその子どもに同意を得る必要がありますが、普段から交流がなかったり遠方や海外に住んでいて連絡が容易に取れなかったり、離婚していて別れた妻側に子供がいるため探し出すのに苦労するなど、諸々の事情によって長引き、何ヶ月も何年も空き家のまま放置する状態が続いてしまうのです。

④遠方に住んでいるため手続きがなかなか進まない

今住んでいる場所と空き家のある場所が遠いと、手続きや現地へ足を運ぶことがなかなか難しく、手続きに時間がかかってしまうことになります。
また、相続人がそれぞれ遠くに住んでいてなかなか時間が作れないことや、金銭的に訪れるのが容易ではないなども手続きが進まない理由のひとつになりやすいのです。

⑤兄弟間で意見の食い違いがある

ご本人は処分したいと考えていても、家族や兄弟、親族が処分を反対しているなど、意見の食い違いも厄介です。
家族で暮らした家への思い入れはひとそれぞれ。さっさと売ってしまおうと考える方もいれば、思い出の場所をできるだけ残しておきたいと考える方も。感情的な理由で頑なに首を縦に振らない人がいたりすると話はこじれる一方です。

■空き家の処分は心理的負担がとても大きい

空き家

空き家の処分は、心理的負担がとても大きいものです。空き家をこのまま放置しておいてはいけないというプレッシャーに加え、思い入れのある建物を処分しなければならないという喪失感もあります。家族間や兄弟間での話し合いも必要ですし場合によっては相続問題も絡んでくるので一筋縄ではいかないことも。

とはいえ、小さいお子さんを抱えている人もいれば家族の病気や親の介護で大変な人もいたりと日常生活もあるわけですから、空き家の処分だけに注力するわけにもいきません。こうしたことがストレスとなって、思うように空き家処分を進められない方はとても多いのです。

空き家の問題では気持ちの整理を行うことがまず大切なことだと考えます。空き家を処分する必要性や処分方法、自分がどうしたいのか十分納得した上で進めことが、結果的にスムーズな空き家処分につながるのです。

このように、空き家のまま放置しておくと物理的にも精神的にもさまざまな弊害があります。できれば早いうちに処分・活用し、心配事をひとつでも減らしておきたいですよね。

空き家を処分したい! どうにもできないほどボロボロの老朽化物件やスムーズに進まない空き家問題の解決策」では、こうした空き家問題の解決方法や空き家問題の意外な落とし穴など、ご紹介しています。空き家問題を抱えておられる方は、そちらも併せてご覧ください。

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