
解体工事は、今ある建物を壊す、というとてもシンプルな工事です。しかし言い換えれば、その土地に新たな歴史が刻まれる、最初のプロセスでもあります。
新しく建物が建ち、人が住み、暮らしが始まる。その最初の一手を担う解体工事は、丁寧に仕事をすること、同業者や関連業者と連携をとること、そしてその先に続くお客様の暮らしまでを見据えることが求められています。
異業種を含む幅広いネットワークを持ち、同業者やハウスメーカーからの厚い信頼を得てきたサポートプランの塩田代表に、解体業者として大切にしていることを伺いました。
解体工事は、最初のプロセス。解体業者の仕事が、工事全体の印象を決める

「建物を壊し、新たな用途に生まれ変わらせるということは、その裏でたくさんの人が動くということです。解体工事はこれから始まる工事の上流工程であり、その後に続く工事全体の印象を左右します。最近は、古い建物を壊す解体工事、新しく建物を建てる新築工事、駐車場やエントランスなどの外構工事と、お客様がそれぞれの業者に個別に依頼する“分離発注”も一般的になりつつありますが、一連の工程に支障がないようにするのが解体工事の大前提です」
解体工事そのものは、建物を壊せば終わりです。しかし、建物を解体したあとの土地には、戸建て住宅が建てられたり、倉庫や店舗が建てられたり、整地して駐車場として使用されたり、農地として使用されるなどさまざまな用途に変わり、そこから新たな歴史を刻んでいきます。解体工事はその最初のプロセスであると、塩田代表は考えています。
「解体業者の中には、言葉通り『潰して終わり』という考えで荒っぽい仕事をする業者もいます。解体工事中の業者の態度が悪かったり、近隣とのトラブルが発生した場合、次に入る工務店やハウスメーカーに厳しい目が向けられます。トラブルがあったことを知らないまま次の工事が進むと、また同じようなトラブルが起きてしまうことも。そんなとき、『聞いてません』『知りませんでした』『解体は当社の管轄ではありません』と言っても、近隣の方は知る由もありません。納得してもらえないどころか、さらに怒りが増すかもしれない。最初の印象が悪いと『次も同じような業者が来るんじゃないか』と不信感を持たれてしまいますし、そんな業者を手配した、土地の持ち主に矛先が向いてしまいます。最初の工事の印象が、工事全体、ひいては工事後のご近所づきあいにまで大きく影響するのです」
見えないところまで責任を持つことが、結果的にお客様のためになる

解体工事中、思ってもみない事態に遭遇することは、解体工事あるあるです。なかでも厄介なのが、地中の基礎の底に瓦礫などの埋設物が見つかった場合です。
本来なら、埋設物を発見した時点でお客様に相談し、撤去作業を行うべきところです。しかし埋設物の撤去には追加工事が必要になり、工期が延びれば重機のレンタル料や人件費など追加費用もかさむため、そのままにして工事を終えてしまう業者がいるのも現状です。
「撤去作業が必要になった場合は、お客様に事情を説明し、納得していただく必要があります。しかしお客様のなかには、『解体工事は建物を壊すだけ』と考えておられる方も少なくないため、追加工事の説明を丁寧に行ってもすんなり納得していただけないこともあるかもしれません。また、解体業者としても『ちゃんとお金を払ってもらえるだろうか』という不安もあるでしょうし、次の工事の予定が詰まっているため『ややこしいことになるくらいなら黙って工事を終えておこう』と判断する業者もなかにはいるのです」
「地中に埋設物があることを知らせないまま次の工事が進んでも、基礎工事や配管工事の際に発覚し、結局は撤去工事をしなければならなくなり、スケジュールが大幅にズレて費用も嵩む――。その皺寄せは、土地の持ち主にいくことになります。新しく建物を建てるのなら、誰かが必ずやらなければならない工事なので、埋設物が発覚した際にはお客様にきちんと説明して追加工事をする。もしくは、次の業者に連絡してどちらが工事を請け負うかの相談をする必要があります」
他にも、解体工事後に発覚しやすいトラブルとして、地中に埋まった基礎の一部がきちんと撤去されていない「撤去漏れ」などもあります。本来、地中に埋まった部分や隣地との境目まできっちり撤去しておくべきですが、地面の中のことなのでパッと見ただけでは誰も気づかないため、曖昧なまま工事を終えてしまう業者も。基礎工事や排管工事の業者が土地を掘り起こして初めて発覚し、そこから改めて撤去作業が必要になるというケースも少なくありません。
さらには、大雨の日に無理やり解体工事を進めた結果、地盤が緩んでしまい、次に建物を建てる際に地盤改良が必要になるケースも。
いずれも、解体工事の段階でお客様や次の業者と連携をとり、きちんと対処しておけば、工事への影響を防げるトラブルです。
「工事中は苦情を繰り返し受けることもしばしば。次の業者に伝えておかないと、トラブルが大きくなる元です。業者同士の連携とは、工事の技術的な部分だけでなく、こうした情報の引き継ぎも含めてのこと。業者同士で連携をとることが結果的にお客様のためになるのです」
工事後からスタートする暮らしまで見据えた、近隣住民との信頼づくり

どれほど丁寧な工事をしていても、騒音やホコリ、工事車両の往来などによる近隣からのクレームや、隣家と密接している部分の工事の際に隣家の外壁を傷つけてしまうなど、トラブルは起きてしまうものです。
工事中に起きたトラブルは業者が丁寧に対応してくれますが、工事が終われば業者の仕事も終わり。その後に続くトラブルの余波は、お客様自身に影響します。
「解体工事中に隣家とのトラブルが生じた場合、数年後に外壁塗装のために足場を立てたいと隣家にお願いしても、『解体工事の時に嫌な目にあったから』と断られてしまうなど、過去のトラブルの矛先が土地の持ち主に向けられてしまうのです。家が建つ前から近隣との関係が良くないなんて嫌ですよね。だからこそ私たち解体業者は、できるだけ丁寧で誠実な対応をして、トラブルを最小限に抑えておくことが大切ですね」
サポートプランでは、工事前の近隣への丁寧な挨拶回りを欠かさず行っています。その際、工事の詳しい内容や会社の詳細はもちろん、地図、工事箇所の見取り図、解体する建物の写真も入れるなどし、どの場所でどんな工事が行われているかが一目でわかるような内容を心がけています。
また、塩田代表は、ビラと一緒に必ず名刺を手渡しすることも徹底しているといいます。

「自分の家のすぐ近くで工事をされると、誰でも不安になりますよね。工事のビラにも詳細は書いていますが、きちんと顔を合わせて名刺をお渡しすることで、心理的な不安を少しでも解消していただけるのではないかと考えています。休日は会社の電話がつながらないこともあるため、何かあった際にはすぐに対応できるよう私の携帯電話の番号も必ずご案内しています」
こうした姿勢は、お客様や近隣への安心につながるだけでなく、サポートプランにとってメリットとなることも。
過去には、解体工事を行った土地の近隣の方から、「うちの家も解体してほしい」と問い合わせをいただいたこともあるそう。工事中の丁寧な対応が、新たなご縁につながっていくこともあるのです。
解体して終わり、ではない。人と人をつなぎ、お客様の人生の”次”をサポート

「解体工事のご依頼をいただいたお客様から、『建物や土地のことで困っているが、誰に相談したらいいかわからない』というご相談を受けることも少なくありません。解体後に土地を駐車場にしたいのであれば当社で引き続き工事を請け負えますし、家を建てたい方には地元の信頼できるハウスメーカーや工務店をご紹介できます。数年後に修繕が必要になった際には外壁業者や屋根屋さん、土地を売りたい場合は不動産会社、法律やお金のことでお困りであれば弁護士や税理士、行政書士や司法書士などの士業もご紹介できます。工事の上流工程である私たちこそ、関連知識や専門家とのネットワークを持ち合わせておくべきだと考えています」
解体工事をきっかけに、お客様の次のステップへの相談窓口となれることも、サポートプランの強みのひとつです。困っている人の問題を解決するだけでなく、紹介した業者には新たな仕事が生まれる。そうした良い循環をつくれることを、サポートプランは大切にしています。
依頼された仕事をただこなすだけでなく、コミュニケーションを大切にして繋がりを広げ、競合同士がお互いに手をとって高め合っていくような動きが業界全体に広がることで、解体業界のイメージアップにもつながると塩田代表は考えています。
「建物を壊す、建てる、そしてそこに人が住む。この流れの中には、たくさんの人と人の繋がりがあり、信頼関係によって成り立っています。普段からいろんな人と関わりを持ち、良好な関係を保っておけば、いざというときに相談できるし、快く協力してもらえます。困ったときに頼れる人の顔がすぐに思い浮かぶというのは、それだけで心強いもの。自分たちのあとに現場に入る業者さんが気持ちよくスタートできるよう、トラブルの火種を残さずに引き渡すし、その土地に新しく住む方が『ここに住んでよかった』と思えるような解体工事をする。それが、私たちの仕事だと思っています」















