
家を解体したあと、更地のままにしておくか、何か活用するか迷っている方は多いのではないでしょうか。
駐車場のほかにも、近年は「トランクルーム」を土地活用の選択肢として検討される方が増えています。
今回は、年間100件以上の解体工事を手がける現場の視点から、トランクルームという土地活用のメリット・デメリットと、失敗しないための注意点を解説します。
更地を「放置」すると税金が跳ね上がる
土地活用の話をする前に、まず知っておいていただきたいのが、更地を放置することのリスクです。
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という軽減措置が適用されていますが、更地にするとこの特例の対象から外れてしまいます。
固定資産税の課税判定は毎年1月1日時点の状態で決まるため、1月1日に建物が残っていればその年度は軽減措置を受けられます。
1月2日以降に解体すると、次の年度から更地としての高い税金が課されます。
具体的な差を見てみましょう。
仮に土地の評価額が1,200万円(約60坪)の場合、家が建っていれば住宅用地の特例により固定資産税は年間約18,000円で済みます。
しかし更地になると特例が外れるため、一気に約108,000円まで跳ね上がる試算になります。実に約6倍の差です。
このように、更地を維持するだけで年間数万円から数十万円の持ち出しが発生し続けることになります。
解体後はできるだけ早く、収益を生む形へ土地を切り替えることが重要です。
トランクルームという選択肢
更地の活用方法というと、アパート経営や駐車場を思い浮かべる方が多いですが、トランクルーム(貸し倉庫・貸しコンテナ)も有力な選択肢のひとつです。
都市部を中心に、自宅の収納スペースが足りない方や、季節用品・書類の保管場所を探している法人からの需要があります。
特に需要が見込みやすいのは、単身者向けマンションやワンルームマンションが多いエリアです。
収納スペースの少ない部屋に住んでいる方は、スーツケースやシーズンオフの家電、趣味の道具などを外部に預けたいというニーズを常に抱えています。
また、引っ越しシーズンには一時的な荷物預かりの需要も高まります。
周辺にオフィスが多いエリアであれば、法人の書類保管や在庫の一時保管といった需要も見込めます。
自分の土地がどんな層の生活動線にあるかを考えることが、トランクルームの需要を見極める第一歩になります。
トランクルームの種類と、それぞれの特徴
トランクルームと一口に言っても、いくつかの種類があり、それぞれ設置のしやすさや必要な設備が異なります。
屋外に設置するコンテナ型は、海上コンテナや専用のスチールコンテナをそのまま設置するタイプです。
比較的安価に始められる一方で、夏場は内部の温度が上がりやすく、湿気対策も必要になります。
屋内型は、既存の建物や新設した建物の中を仕切って個室状にするタイプで、空調や換気設備を整えることで、衣類や精密機器など、温度・湿度の管理が必要な荷物にも対応できます。
初期費用は屋外型より高くなりますが、その分利用者からの信頼を得やすく、賃料も高めに設定しやすい傾向があります。
小型のボックス型・ロッカー型は、荷物の量が少ない方向けに、比較的小さな区画を多数用意するタイプです。
設置面積あたりの契約数を増やせるため、狭い土地でも収益化しやすいのが特徴です。
どのタイプを選ぶかは、周辺エリアの需要規模や、初期費用にかけられる予算に応じて判断してください。
トランクルームの運営方法にも、駐車場と同じように大きく分けて2つの方式があります。
一括借り上げ方式(運営会社に土地を貸す)
トランクルーム運営会社に土地を貸し出し、毎月定額の賃料を受け取る方式です。
コンテナの設置や集客、日々の管理、契約者とのやり取りをすべて運営会社が代行してくれるため、土地の持ち主の手間はほとんどかかりません。
初期費用を抑えられるプランが用意されていることも多く、手軽に始めやすい方式です。
自主運営方式(自分でコンテナを設置する)
自分でコンテナを購入・設置し、契約者の募集から管理まで自分で行う方式です。
売上が上がるほど利益がすべて手元に入るのが魅力ですが、コンテナの設置費用や、防犯・防水対策などの初期投資が必要になります。
空室が出た場合の収益減少リスクも、自分で背負うことになります。
トランクルームと駐車場、共通する強みと違い
トランクルームには、駐車場と同じく「将来の転用・売却のしやすさ」という強みがあります。
アパートなどを建てて人に貸すと「居住権」が発生し、将来土地を売りたい・建て替えたいと思ったときに、入居者との立ち退き交渉が難航して売り時を逃す原因になりがちです。
トランクルームは居住を目的としないため、契約内容にもよりますが、比較的スムーズに解約・転用できるケースが多くなります。
一方で、駐車場と違う点として、トランクルームは「建築物」として扱われる場合がある点に注意が必要です。
基礎を作って固定するコンテナ型や屋内型は、建築基準法上の確認申請が必要になることが多いです。
住宅街に多い第一種低層住居専用地域のような用途地域では、設置そのものが制限されるケースがあります。
一方で、簡易的に据え置くだけの小型ボックス型は、建築物として扱われないケースもあり、規制の対象になるかどうかはタイプによって変わります。
土地活用を検討する際は、その土地がどの用途地域に該当するのか、そしてどのタイプのトランクルームを設置したいのかを合わせて、事前に確認しておくことをおすすめします。
失敗しないために、解体工事の前から計画しておく
トランクルームを成功させるコツも、駐車場と同様に、建物を壊す前の見積もり段階で計画を固めておくことにあります。
整地レベルをトランクルーム用に合わせる
コンテナを水平に設置するためには、地面を平らに整地しておく必要があります。
解体後の更地をそのまま引き渡されると、地面の凸凹やガレキ残りで、後から余分な整地費用が発生してしまいます
水道・インフラの残し方に注意する
将来また家を建てる予定がある場合は、水道メーターや汚水桝・雨水桝を適切な位置に残して整地する必要があります。
これを解体業者に伝えていないと、重機で一式壊したときに配管ごと潰してしまい、後で掘り起こして引き込み直すために数十万円の無駄な追加工事がかかることになります
解体業者へ直接一括発注する
ハウスメーカーやポータルサイトを経由して解体やコンテナ設置を頼むと、高額な中間マージンを抜かれてしまいます。
解体からその後の整地工事まで一貫して責任を持って対応できる、地域密着型の解体業者へ直接相談することで、無駄な工事のやり直しと中間マージンを同時にカットできます
トランクルームと駐車場、どちらが向いているか
同じ土地活用でも、トランクルームと駐車場では向いている立地や需要が異なります。
| 比較項目 | トランクルーム | 駐車場(月極・コインパーキング) |
|---|---|---|
| 向いている立地 | マンション・集合住宅が多いエリア、収納スペース不足のニーズがある場所 | 駅前・商業エリアや、住宅街の駐車需要がある場所 |
| 初期費用 | コンテナ設置費用がかかり、比較的高くなりやすい | 舗装・機器設置費用が中心で、比較的抑えやすい |
| 規制の有無 | 建築基準法・用途地域の確認が必要な場合がある | 比較的規制は少ない |
| 収益の安定性 | 契約者がいる限り安定しやすい | コインパーキングは立地次第で高収益も狙える |
どちらが向いているかは、土地の場所や周辺の需要、用途地域によって変わります。判断に迷う場合は、現地調査を受けたうえで検討することをおすすめします。
よくある質問
Q: トランクルームは、どんな土地でも設置できますか
A: 用途地域によっては設置が制限される場合があります。特にコンテナ型のトランクルームは建築基準法上の確認申請が必要になることがあるため、事前に土地の用途地域を確認しておくことをおすすめします。
Q: 解体してからトランクルームを検討し始めても遅くないですか
A: 相談自体は解体後でも可能ですが、整地のレベルや水道の残し方など、解体の段階で決めておいたほうが良いことがいくつもあります。土地活用の方向性が見えているなら、解体前の見積もり段階で一緒に相談しておくことをおすすめします。
Q: 一括借り上げ方式と自主運営方式、どちらがおすすめですか
A: 手間をかけずに安定した収入を得たい方には一括借り上げ方式、収益を最大化したい方には自主運営方式が向いています。周辺の需要や初期費用に回せる予算によっても判断が変わるため、まずは現地調査で確認することをおすすめします。
Q: トランクルームと駐車場、収益はどちらが高いですか
A: 立地や広さによって変わるため一概には言えませんが、トランクルームは収納ニーズが高いエリアで安定した稼働率を見込みやすく、駐車場は好立地であれば高い収益が期待できます。どちらが向いているかは、周辺の住宅事情や交通量によって判断することをおすすめします。
Q: 屋外型と屋内型、どちらを選べばいいですか
A: 初期費用を抑えたい場合は屋外のコンテナ型が始めやすい選択肢です。一方、衣類や精密機器など温度・湿度に敏感な荷物を預かりたい需要が見込めるエリアであれば、空調を備えた屋内型のほうが利用者からの支持を得やすくなります。周辺にどんな層が住んでいるかを踏まえて選んでください。
Q: 狭い土地でもトランクルームは始められますか
A: はい、可能です。小型のボックス型・ロッカー型であれば、比較的狭い土地でも多数の区画を設けることができ、収益化しやすい形になります。土地の広さと形状に合わせて、適したタイプをご提案できますので、まずはご相談ください。
更地をそのまま放置すると、固定資産税の軽減措置が外れて税負担が大きく増えてしまいます。
トランクルームは、居住権が発生せず将来の転用・売却がしやすい土地活用ですが、用途地域による規制や整地の準備など、駐車場とは異なる注意点もあります。
サポートプランでは、大阪泉大津を拠点に年間100件以上の解体工事を手がけてきた経験をもとに、解体からその後の土地活用まで一貫してご相談いただけます。
お持ちの土地がトランクルームに向いているかどうか、まずは現地調査でお気軽にご相談ください。
