大阪の空き家解体する業者選びで、知っておくべき3つのポイント

塩田

相続で空き家を引き継いだものの、

「どうやって解体業者を選べばいいのかわからない」
「費用はどれくらいかかるの?」

と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

空き家の解体は、人生で何度も経験することではありませんから、わからないことが多くて当然です。

しかし、業者選びを間違えると、想定以上の費用がかかったり、近隣とのトラブルが発生したりする可能性があります。

この記事では、大阪府内で10年以上にわたって空き家解体に携わってきた経験をもとに、解体業者の選び方や費用相場について、わかりやすく解説します。

目次

大阪の空き家解体、ここが他と違う

大阪で空き家を解体するときに、他のエリアと違う点を整理してみます。

住宅が密集している

大阪市内を中心に、隣の家まで1メートルもないような住宅地がたくさんあります。特に住吉区、平野区、東住吉区、生野区などの古い住宅地では、戦後復興期に建てられた家が密集して並んでいます。

こういう場所では、大型の重機が入れないため手作業が中心になります。当然、工期も費用も変わってきます。一般的な住宅地なら1週間で終わる工事が、2週間以上かかることも珍しくありません。

「重機でガーッと壊せば早いやろう」という考えの業者に任せると、隣の家を傷つけてしまったり、近所とトラブルになったりすることがあります。実際に、隣の家の外壁にひびが入ってしまい、修理費用で50万-100万円以上かかったというケースも経験しました。

古い建物が多い

大阪には戦後復興期に建てられた古い住宅がまだまだたくさん残っています。昭和20年代から40年代の建物では、アスベストが使われている可能性が高く、解体前に調査が必要です。

法律で定められているアスベスト事前調査を適切に行わないと、解体工事を始めることができません。調査の結果、アスベストが発見された場合は、専門の除去作業が必要になり、費用も工期も大幅に変わります。

アスベストの処理を適切に行わない業者に任せると、後々大きな問題になります。近隣住民の健康被害リスクもありますし、法的な責任を問われることもあります。最悪の場合、工事が止められて、やり直しになることもあります。

長屋や連棟住宅が多い

大阪特有の建物として、長屋や連棟住宅があります。隣の住戸と壁や屋根を共有しているため、1戸だけを解体するのは技術的に難しい工事になります。

長屋の解体では、まず隣の住戸との境界部分を慎重に切り離す作業から始まります。構造を理解していない業者が作業すると、隣の住戸の構造に影響を与えてしまい、雨漏りや建物の傾きといった深刻な問題を引き起こすことがあります。

堺市で手がけた長屋解体では、隣の住戸に住んでいる高齢のご夫婦が「工事中も普通に生活できて、全然迷惑じゃなかった」と喜んでくださいました。長屋の解体は、技術だけでなく、住んでいる方への配慮が何より大切です。

解体費用の相場、大阪ではこれくらいです

よく「坪単価◯万円」という話を聞きますが、実際の現場では立地条件によって大きく変わります。大阪での実際の相場感をお伝えします。

一般的な住宅地の場合

木造住宅なら坪単価3万円から4万円程度が目安です。30坪の家なら90万円から120万円というところでしょうか。これに諸経費や廃材処分費が加わります。

鉄骨造の場合は、坪単価4万円から6万円程度。30坪なら120万円から180万円程度になります。鉄筋コンクリート造はさらに高くなり、坪単価6万円から10万円程度が相場です。

住宅密集地の場合

隣家との距離が近い、道路が狭いといった条件が重なると、坪単価は4万円から7万円程度になることが多いです。手作業が増える分、どうしても費用は高くなります。

特に前面道路の幅が4メートル未満の場合、大型の重機やトラックが入れないため、小型の重機を使ったり、手作業で解体した材料を人力で運び出したりする必要があります。

大阪市内の住宅密集地で40坪の木造住宅を解体した際は、通常なら140万円程度のところ、200万円程度かかりました。それでもお客様には「近所に迷惑をかけずに丁寧に工事してもらえて良かった」と満足していただけました。

追加費用が発生するケース

見積もりに含まれていない追加費用が発生するケースがいくつかあります。

アスベスト除去費用

アスベストが見つかった場合は、除去費用として追加費用がかかることがあります。使用されている量や場所によって大きく変わります。屋根材だけなら30万円程度ですが、壁材や天井材にも使われている場合は100万円を超えることもあります。

地中埋設物の撤去

地中に浄化槽や井戸が埋まっている場合も、別途費用が必要になります。古い浄化槽の撤去や井戸の埋戻しなどがあります。

境界の問題

隣の家との境界がはっきりしない場合、測量が必要になることがあります。測量費用がかかる場合があります。

不用品の処分

家の中に家具や家電が残っている場合、その処分費用も別途かかります。一般的な家庭の家財道具なら20万円から50万円程度が目安です。

業者選びで失敗しないための3つのポイント

大阪で解体業者を探すなら、失敗しないために下のポイントをご紹介します。

1. 業者が、現地をきちんと見に来て見積もりするか

電話だけで見積もりを出す業者は避けた方がいいでしょう。「だいたい100万円くらいですね」といった概算を電話で言う業者は、まず信用できません。

きちんとした業者は必ず現地に足を運んで、建物の状況、隣家との距離、道路の幅、重機の搬入経路などを詳しく調べます。建物の中にも入って、構造や使用されている材料、劣化の状況なども確認します。

私たちサポートプランも見積もりの際は、最低でも1時間は現地で調査します。建物の図面があれば見せていただきますし、ない場合は簡単な測量も行います。近隣の家との距離も実際に測って、どんな工法で解体するかを検討します。

現地調査をしっかりおこなった見積もりと、電話だけの概算では、最終的に50万円以上の差が出ることもあります。現地調査を面倒がる業者は、後から「追加工事が必要です」と言ってくる可能性が高いので注意が必要です。

私たちサポートプランがおこなっている正確なお見積りをつくるためにやっていることはこちら。

2. 近隣への配慮をどう考えているか

解体工事では音や振動、ほこりが発生します。大阪のような住宅密集地では、近隣への影響を最小限に抑える工夫が必要です。

工事前の挨拶

工事を始める前に、近隣の家を回って挨拶することは基本中の基本です。工事の内容、期間、作業時間、連絡先などを記載した資料をお渡しして、丁寧に説明します。

私たちは工事開始の1週間前には必ず近隣挨拶を行います。半径50メートル以内の家には全て回らせていただきます。お留守の場合は、時間を変えて再度うかがいます。

防音・防塵対策

住宅密集地では、防音シートや防塵シートの設置が欠かせません。また、作業時間も朝8時30分から夕方5時までと決めて、早朝や夜間の作業は行いません。

散水装置を使ってほこりの飛散を抑えたり、低騒音型の重機を使ったりして、近隣への影響を最小限に抑えます。

工事中の配慮

工事車両の駐車場所にも気を配ります。近隣の家の前に長時間駐車したり、通行の邪魔になったりしないよう、事前に駐車場所を確保します。

作業員の態度や言葉遣いも大切です。近隣の方から声をかけられたときは、必ず丁寧に対応するよう指導しています。

東住吉区で解体工事を行った際は、隣のおばあちゃんから「作業の人がいつも挨拶してくれて、気持ちが良かった」と言っていただけました。技術だけでなく、人としての心配りが大切だと思います。

3. 必要な許可や保険を持っているか

解体工事を行うには、「解体工事業の登録」または「建設業許可」が必要です。これがない業者は、そもそも解体工事を行うことができません。

また、解体で出た廃材を運搬するためには「産業廃棄物の収集運搬許可」も必要です。この許可を持たない業者が廃材を運搬すると違法行為になり、施主にも責任が及ぶことがあります。

万が一の事故に備えて、損害賠償責任保険に加入しているかどうかも確認しておきましょう。重機の操作ミスで隣の家を傷つけてしまったり、作業員がケガをしたりした場合の補償がないと、全ての責任が施主にかかってきます。

私たちサポートプランは、解体工事業登録はもちろん、建設業許可も複数取得しています。産業廃棄物収集運搬許可も大阪府の許可を取得済みです。これらは会社概要に掲載しています。

見積書の見方、ここをチェック

解体工事の見積書は、業者によって書き方が様々です。どこを見れば良い業者かどうか分かるのか、ポイントをお教えします。

詳細が書かれているか

「解体工事一式 120万円」といった大まかな見積書は要注意です。何にどれだけの費用がかかるのかが分からないため、後から追加費用を請求される可能性があります。

良い見積書は、足場設置費、養生シート設置費、手作業解体費、重機解体費、廃材処分費、諸経費など、項目ごとに詳細に記載されています。

現実的な工期が書かれているか

30坪の木造住宅を「3日で解体します」といった業者は避けた方がいいでしょう。適切な近隣対策や安全管理を行いながら丁寧に解体すると、住宅密集地では2週間程度はかかります。

あまりに短い工期を提示する業者は、安全管理や近隣への配慮を軽視している可能性があります。

廃材処分の方法が明記されているか

解体で出た廃材をどこで処分するのか、マニフェスト(産業廃棄物管理票)はどうするのかが明記されている見積書を選びましょう。

廃材の不法投棄は施主の責任も問われる重大な問題です。最終処分場がきちんと書かれている業者を選ぶことが大切です。

解体後のことも考えて業者を選ぶ

空き家を解体した後の土地をどうするかも重要な問題です。売却するのか、駐車場にするのか、新しい家を建てるのか。

売却する場合

解体後の土地を売却する場合、土地の境界がはっきりしていることが大切です。古い住宅地では境界標が不明確になっていることが多く、売却前に測量が必要になることがあります。

地域の不動産事情に詳しい解体業者なら、「この地域なら更地にした方が売れやすい」「建物付きのまま売った方がいい場合もある」といったアドバイスをもらえることがあります。

駐車場にする場合

土地を駐車場として活用する場合、適切な整地と排水設備が必要になります。解体工事と合わせて駐車場整備も行える業者なら、コストを抑えて効率的に進められます。

新築する場合

同じ場所に新しい家を建てる場合、解体業者と建築業者の連携が大切です。基礎の撤去方法や整地の仕方によって、新築工事の進めやすさが変わります。

私たちは建築工事も行っているため、解体から新築まで一貫してお任せいただくことも可能です。解体の段階から新築のことを考えて工事を進められるため、お客様にとってもメリットが大きいと思います。

よくある質問にお答えします

解体工事はさまざまな疑問が生まれます。それらについてよくある質問をご紹介します。

Q1, 工事期間中、近所に迷惑をかけないか心配です

住宅密集地での解体工事では、近隣への配慮が何より大切です。私たちは工事前の丁寧な挨拶、適切な防音・防塵対策、決められた時間内での作業を徹底しています。

これまで10年以上で大きな近隣トラブルが起きたことはありません。むしろ「丁寧に工事してくれて良かった」「作業の人の態度が良かった」といったお声をいただくことが多いです。

Q2, 見積もりの後、しつこく営業されませんか?

見積もりをお出しした後、しつこく営業電話をかけることはありません。お客様のペースでご検討いただければと思います。

ただし、見積もりから時間が経つと、昨今の経済状況により、かかる費用などが変動することがあります。そのため、半年以上経過した場合は、改めて見積もりを作成し直すことがあります。

Q3, 工事中に追加費用が発生することはありますか?

詳細な現地調査を行っているため、追加費用が発生することはほとんどありません。ただし、地中から想定外の埋設物が出てきた場合やアスベスト対応などで、やむを得ず追加工事が必要になることがあります。

その場合は、作業を一旦停止して、お客様に状況を説明し、追加費用をお伝えします。お客様の了承をいただいてから作業を再開しますので、勝手に追加工事を行うことはありません。

まとめ

大阪での空き家解体は、住宅密集地特有の配慮や、古い建物への対応など、一般的な解体工事とは違った難しさがあります。

業者選びでは、価格だけでなく、これらの大阪特有の事情を理解し、適切に対応できる経験と技術を持った業者を選ぶことが大切です。

現地調査をしっかり行い、近隣への配慮を怠らず、必要な許可や保険を完備している業者を選べば、安心して工事を任せることができます。

解体工事は人生で何度も経験することではありませんから、分からないことがあって当然です。遠慮なく質問して、納得のいく説明をしてくれる業者を選んでください。

私たちサポートプランは、大阪府内を中心に年間100件以上の解体工事を手がけています。大阪の住宅事情を熟知した経験豊富なスタッフが、お客様の状況に合わせて最適な解体工事をご提案いたします。

泉大津市を拠点に、大阪府全域、京都府南部、兵庫県南東部、和歌山県北部、奈良県西部まで対応しています。どんな小さなことでも構いませんので、空き家の解体でお困りでしたら、お気軽にご相談ください。

現地調査から見積もりまで、もちろん無料です。お客様にとって最良の解決策を一緒に考えさせていただきます。

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