
家を解体したあとの土地活用として、駐車場やトランクルーム、貸し農園のほかに「太陽光発電(野立て太陽光)」を検討される方もいます。
長期的に安定した収入が見込める一方で、他の活用法とは違う独特の注意点もあります。
今回は、年間100件以上の解体工事を手がける現場の視点から、太陽光発電を土地活用として選ぶ際のポイントを解説します。
更地の放置は、税負担がじわじわ重くなる
土地の活用方法を考える前に、まず押さえておきたいのが、更地のまま放置することの税金リスクです。
住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という軽減措置があります。
更地にするとこの対象から外れます。
判定は毎年1月1日時点の状態で行われるため、1月2日以降に解体すると、次の年度から更地としての税額が適用されます。
例えば評価額1,000万円(約50坪)の土地であれば、特例が適用されている間の固定資産税は年間約15,000円ですが、更地になると約90,000円まで増える試算になります。
差は6倍です。
この差はあくまで制度上の上限の目安です。実際の税額は「負担調整措置」によって緩やかに上昇していくため、更地にした年からすぐにこの金額差になるわけではありません。実際の金額は市区町村への確認をおすすめします。
活用方法が決まらないまま時間が経つほど、この差額が積み重なっていきます。
太陽光発電のように、契約から稼働まで多少の準備期間が必要な活用法を検討している場合こそ、早めに計画を立てておくことが大切です。
太陽光で長期収入を得る
太陽光発電(野立て太陽光)は、土地に太陽光パネルを設置し、発電した電気を売却して収入を得る土地活用です。
駐車場やトランクルームのように毎月の利用者を集める必要がなく、一度設備が整えば、天候に左右されながらも比較的手間の少ない収入源になります。
太陽光発電の始め方にも、大きく分けて2つの方式があります。
土地貸し方式(太陽光発電会社に土地を貸す)
太陽光発電を専門に行う会社に土地を貸し出し、毎月または毎年定額の賃料を受け取る方式です。
パネルの設置費用や発電・売電の手続き、日々のメンテナンスまで、すべて借り手の会社が行うため、土地の持ち主の負担はほとんどありません。
初期費用がかからず手軽に始められますが、収益は賃料として固定されるため、売電収入そのものを得ることはできません。
自己所有・売電方式(自分で設備を設置する)
自分でパネルなどの設備を設置し、発電した電気を売却して収入を得る方式です。
売電収入がそのまま自分の利益になるため、うまくいけば土地貸し方式より高い収益が期待できます。
ただし、パネルや周辺機器の設置費用として、まとまった初期投資が必要になります。
売電単価は、設備を導入した年度の制度に基づいて一定期間固定されるのが一般的で、年々単価が下がる傾向があるため、検討するタイミングも収益に影響します。
太陽光発電ならではの注意点、契約の長さと身軽さ
これまで紹介してきた駐車場やトランクルーム、貸し農園は、居住権が発生しないため、将来の売却や転用がしやすいという共通の強みがありました。太陽光発電は、この点で少し事情が異なります。
土地貸し方式の場合、契約期間が10年から20年程度の長期契約になることが一般的です。
契約期間中に土地を売りたい、建物を建て直したいという事情が生じても、途中解約には違約金が発生したり、そもそも解約自体が難しかったりするケースがあります。
太陽光発電を検討する際は、将来その土地をどうしたいかを、契約前によく考えておく必要があります。
そのほかにも、太陽光発電ならではの注意点があります。
- 日照条件が収益を大きく左右する:周辺に高い建物がなく、南向きで日当たりの良い土地であることが重要です
- 近隣トラブルへの配慮が必要:パネルの反射光や、雑草が伸び放題になることによる害虫・害獣の発生などが、近隣とのトラブルにつながることがあります
- 天候による発電量の変動:晴天が続けば収益は安定しますが、悪天候が続く時期は発電量が落ち込みます
- 台風などの自然災害によるパネル破損リスクがあり、保険や保守管理の体制も確認しておく必要があります
契約前・着工前に確認しておきたいこと
太陽光発電を検討する場合も、建物を壊す前の段階から準備しておくことで、後々のトラブルを防げます。
- 地盤の安定性を確認する パネルの架台をしっかり固定するためには、地盤が安定している必要があります。解体後の整地の際に、地盤の状態を業者に確認してもらいましょう
- 傾斜や日当たりを踏まえた整地をする パネルの角度や配置は発電効率に直結します。整地の段階から、太陽光発電を見据えたレイアウトを意識しておくと、後工程がスムーズになります
- 将来の計画を契約前に固めておく 前述の通り、長期契約になりやすいため、契約前に「この土地を何年先までこの形で活用するか」をしっかり検討しておくことが重要です
太陽光発電・駐車場・トランクルーム・貸し農園、どれが向いているか
土地活用にはそれぞれ特徴があり、向いている条件も異なります。
| 比較項目 | 太陽光発電 | 駐車場 | トランクルーム | 貸し農園 |
|---|---|---|---|---|
| 契約の身軽さ | 長期契約になりやすく身軽さは低い | 短期解約しやすい | 比較的解約しやすい | 比較的解約しやすい |
| 初期費用 | 土地貸しなら不要、自己所有は高め | 比較的抑えやすい | コンテナ等の費用がかかる | 比較的抑えやすい |
| 収益の安定性 | 天候に左右されるが長期的に安定 | 立地次第で高収益も | 契約者がいる限り安定 | 低めだが安定 |
| 向いている土地 | 日当たりが良く広さのある土地 | 駅前・住宅街など駐車需要がある場所 | マンション等が多いエリア | 住宅街で日当たりの良い土地 |
将来的に土地を売却・転用する可能性がある場合は、契約の縛りが緩やかな駐車場やトランクルーム、貸し農園のほうが向いていることもあります。
逆に、当面その土地を活用する予定がなく、長期で安定収入を得たいという場合は、太陽光発電も有力な選択肢になります。
よくある質問
Q: 太陽光発電を始めるのに、農地転用の手続きは必要ですか
A: 解体前の土地はもともと宅地であることがほとんどのため、農地転用の手続きは基本的に不要です。
ただし、用途地域や自治体の条例によって設置に制限がかかる場合があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
Q: 土地貸し方式と自己所有方式、どちらがおすすめですか
A: 手間をかけずに安定した収入を得たい方には土地貸し方式、初期投資をかけてでも収益を最大化したい方には自己所有方式が向いています。
売電単価は年々変わるため、検討しているタイミングでの制度内容も確認したうえで判断することをおすすめします。
Q: 太陽光パネルの寿命はどれくらいですか
A: 一般的に20年から30年程度が目安とされています。
長期間の活用を前提とした選択肢であるため、契約時にはメンテナンス体制や、寿命を迎えたあとの撤去費用についても確認しておくと安心です。
Q: 途中で土地を売りたくなったら、どうすればいいですか
A: 土地貸し方式の場合、契約内容によっては違約金が発生したり、そもそも中途解約が難しかったりすることがあります。
将来的に売却や転用の可能性が少しでもあるなら、契約前にその点をしっかり確認し、必要であれば契約期間の短い活用法も比較検討することをおすすめします。
太陽光発電は長期的に安定した収入が見込める土地活用ですが、契約の長さや日照条件など、他の活用法とは異なる視点での検討が必要です。
大阪泉大津のサポートプランは、年間100件以上の解体工事の実績を活かし、地盤の状態確認から整地、その後の土地活用の相談まで対応しています。
長期契約を結ぶ前に、まずは現地調査でこの土地に太陽光発電が向いているかを確認してみませんか。
